国産レモンとお酒の話 — 輸入レモンとの違い、知っていますか
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国産レモンとお酒の話 — 輸入レモンとの違い、知っていますか

お酒に使うレモン、どこ産か気にしたことありますか
レモンサワー、レモンハイ、果実酒。レモンを使ったお酒は、いまや居酒屋でもご家庭でも、すっかり定番の存在になりました。
でも、ふと立ち止まって考えてみてください。そのレモン、どこから来たものか、気にしたことはありますか。
スーパーに並ぶレモンの多くは、アメリカやチリなどからの輸入品です。日本に流通するレモンのうち、国産が占める割合はおよそ10〜15%にとどまります。お酒の世界でも、輸入レモン果汁を使った商品は珍しくありません。それ自体を否定するつもりはまったくありませんが、国産レモンには輸入品とは異なる特徴があります。その違いを知ったうえで選んでいただけると、お酒との向き合い方がすこし変わるかもしれません。
今回は、国産レモンと輸入レモンの違いを正直にお伝えしながら、金井酒造店がクラッチュ「湘南潮彩レモン40」に湯河原産レモンを使う理由をご紹介します。
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輸入レモンについて知っておきたいこと
輸入レモンが広く使われているのには、明確な理由があります。安定した供給量、低コスト、そして一定の品質。食品産業において、これらは非常に重要な要素です。輸入レモンそのものが「悪い」わけではありません。
ただ、輸入品には輸入品ならではの事情があります。
まず、長距離輸送に耐えるために、収穫後に防カビ剤(ポストハーベスト農薬)が使用されることがあります。イマザリル、OPP(オルトフェニルフェノール)、チアベンダゾールといった成分が、カビや腐敗を防ぐために果皮に処理されます。日本では収穫後のこうした農薬使用は認められていないため、輸入品にのみ適用される特例として「食品添加物」として扱われ、使用が許可されています。
これらは国が定めた基準値の範囲内での使用であり、適切に管理されていれば安全性に問題はないとされています。ただ、皮ごと果汁を絞ったり、果皮をそのまま使ったりする用途では、気になる方も多いのではないでしょうか。果汁だけを使う場合は残留量は少ないとされていますが、香りや風味の観点からも、皮まで活かしきれないという実用上の制約はあります。

また、輸入レモンは完熟前に収穫されることが多く、流通段階でエチレンガス処理によって追熟されます。鮮度や香りの点で、収穫後すぐに使われる国産品とは差が出ることがあります。
繰り返しますが、これは輸入レモンを否定しているのではありません。その特性を理解したうえで、何に使うか・何を選ぶかを考えていただくための情報です。
国産レモンが持つ特徴
国産レモンの最大の特徴は、防カビ剤を使わずに栽培・出荷されている点です。長距離輸送を前提としていないため、そのような処理の必要がありません。
これは、果皮をそのまま活かせるということを意味します。皮ごとすりおろして料理に使う、皮ごと漬け込む、果皮の香り成分(リモネン)をお酒に移す——そうした使い方が、国産レモンでは安心してできます。
香りの点でも、違いを感じる方は多いです。完熟に近い状態で収穫され、短い流通経路で届く国産レモンは、フレッシュで華やかな香りを持ちます。柑橘特有のさわやかさが、加工後も残りやすいのです。
産地は広島・瀬戸内が有名ですが、神奈川県・静岡県・高知県・愛媛県など、各地で栽培が広がっています。気候が温暖で海に近いエリアに向いており、神奈川でも相模湾沿いの地域でレモン栽培が行われています。
さらに「地場産」という選択 — 湯河原のやまげんのレモン
国産であることに加えて、金井酒造店がこだわったのが「地場産」という視点です。
私たちが使っているのは、神奈川県湯河原町で栽培されたレモンです。仕入れ先は、湯河原を拠点に農業を営む株式会社やまげん。地元で丁寧にレモンを育てている生産者さんです。

湯河原は相模湾に面し、温暖な気候と適度な海風に恵まれた土地です。冬でも比較的温かく、柑橘の栽培に適した環境が整っています。この土地で育ったレモンは、皮が薄く果汁が豊富で、香りにも深みがあります。
「神奈川のお酒に、神奈川のレモンを」——シンプルですが、金井酒造店がこの商品に込めた思いはそこにあります。秦野に蔵を構える私たちにとって、湯河原は同じ神奈川の、目と鼻の先にある土地です。
直接取引だからできること
やまげんとの関係は、単なる仕入れ先と購買者というものではありません。私たちは直接取引をしています。
直接取引のいちばんの強みは、情報の透明性です。「今年の夏は雨が少なかったので、果皮が少し厚めです」「今週収穫したものは香りが特に強い」——こうしたリアルタイムの情報が、間に仲介が入らないからこそ届いてきます。
また、旬の見極めができるのも直接取引ならではです。レモンは秋から冬にかけてが主な収穫期ですが、同じ時期でも収穫のタイミングによって果汁の甘みや酸味、香りのバランスは変わります。やまげんさんと会話を重ねながら、最適なタイミングを一緒に判断しています。
そして何より、信頼関係があります。「どんな使われ方をするか」を知っている農家さんが育てたレモンと、まったく知らずに育てたレモンでは、作り手の意識も変わってくると私たちは考えています。やまげんさんは、このレモンがお酒になると知ったうえで栽培してくださっています。
果汁40%を国産レモンで実現する意味
クラッチュ「湘南潮彩レモン40」の名前にある「40」は、レモン果汁の比率を表しています。果汁40%という数字は、レモンチューハイとしてはかなり高い配合です。
輸入レモン果汁を大量に調達するのに比べ、国産・地場産レモンの果汁を40%確保するのは、コスト面でも量の面でも容易ではありません。収穫量には限りがあり、毎年同じように仕入れられる保証もありません。それでも果汁40%にこだわったのは、この配合でなければ出せない味と香りがあるからです。
国産レモンの果汁は、輸入品に比べてフレッシュな香り成分が豊富です。果汁比率を高くすることで、その香りがお酒の中でしっかりと生きてきます。湯河原産レモンの、爽やかで少し複雑な柑橘の香り——それを余すことなくグラスの中に届けたいという考えが、この40%という数字につながっています。
また、レモンの酸味がしっかりと感じられることで、甘さを抑えた設計ができます。果汁が少ない商品では甘みで風味を補うことが多いですが、「湘南潮彩レモン40」はレモン本来の酸と香りで味を成立させています。

知ることが、選ぶことになる
輸入レモンにも、国産レモンにも、それぞれの役割と適した用途があります。大切なのは、その違いを知ることではないでしょうか。
国産レモンは量が少なく、価格も高めです。すべてのお酒が国産レモンを使えるわけでも、使う必要があるわけでもありません。でも、使い手がその意味を理解して選んだ商品には、それだけの理由があります。
金井酒造店がやまげんのレモンにこだわるのは、「神奈川らしさ」を一本のお酒の中に込めたいからです。秦野の蔵で仕込み、湯河原のレモンを使い、湘南の風土をグラスの中に——そんな思いが「湘南潮彩レモン40」という名前に込められています。
次にレモンを使ったお酒を手に取るとき、ぜひ一度、ラベルや商品説明を見てみてください。「どこのレモンを使っているか」を知ることが、あなた自身の選択につながっていきます。
クラッチュ「湘南潮彩レモン40」は、金井酒造店のオンラインショップおよび蔵元直売所でお求めいただけます。湯河原産レモン果汁100%使用、果汁比率40%。神奈川の風土をそのままお届けします。