日本酒をプレゼントするならどれがいい? — 蔵元の診断で相手に合う一本を選ぶ

誰かに日本酒を贈ろうと思ったとき、最初にぶつかるのは「どれを選べばいいかわからない」という壁だ。

酒屋に行っても、ネットで検索しても、「おすすめ10選」「人気ランキング」は出てくる。でも本当に知りたいのはそういうことではなくて、「この人に合う一本はどれか」ということのはずだ。

あの人はお酒が好きだけど、何を飲んでいるかまでは知らない。辛口が好きなのか甘口が好きなのかもわからない。父の日、誕生日、お祝いの席。せっかく贈るなら喜んでほしいけれど、選ぶ自信がない。

その悩み、

目次

「高いものを選べば間違いない」は本当か

日本酒のギフトで最もよくある選び方が「とりあえず大吟醸」だ。大吟醸は米を50%以上磨いて造る。手間がかかるぶん価格も高い。だから贈り物にはふさわしい——という理屈は、半分は合っている。

大吟醸は確かに華やかで上品な味わいのものが多い。箱入りで見栄えもする。受け取った側も「いいものをもらった」と感じる。

ただ、大吟醸が万人に合うわけではない。ふだん焼酎のロックを飲んでいる人にとっては「香りが強すぎる」と感じるかもしれないし、ビール党の人には「重い」と映るかもしれない。日本酒好きでも「晩酌は純米の燗」という人にとっては、冷酒向きの大吟醸は自分では開けにくい。

価格と満足度が比例するのは、相手の好みと合っているときだけだ。

味ではなく「物語」で選ぶ

日本酒のプレゼントが難しいのは、相手の味の好みがわからないからだ。でも発想を変えてみる。味で選べないなら、物語で選べばいい。

日本酒には一本一本に名前があり、その名前には由来がある。銘柄名にはその土地の風景や歴史が刻まれていて、そこにプレゼントの手がかりがある。

名前で選ぶ。 日本酒の銘柄名は漢字の美しさも含めて贈り物になる。相手の名前に使われている漢字が入った銘柄を探す、好きなアーティストや作品にちなんだ名前の酒を見つける——そういう選び方ができるのは、15,000銘柄もある日本酒ならではだ。「なぜこの酒を選んだのか」を説明できるプレゼントは、もらった側の記憶に残る。

土地で選ぶ。 相手の出身地や思い出の場所の蔵の酒を贈る。神奈川出身の人に神奈川の蔵の酒を、旅行で行った土地の酒を——その土地の水と米で造られた酒には、土地の記憶が宿る。金井酒造店の白笹鼓なら、表丹沢の伏流水と神奈川の風土がそのまま味になっている。

米で選ぶ。 日本酒は米から造る。その米がどこで育ったか、どんな品種かにも物語がある。地元の農家が育てた米で仕込んだ酒には「この田んぼの米がこの酒になった」というストーリーがある。

味覚の好みがわからなくても、相手にまつわる物語があれば酒は選べる。

味の好みから選びたいなら

もちろん、味で選ぶこともできる。相手がふだん何を飲んでいるか——それだけで日本酒の好みはかなり推測できる。ブラックコーヒーを飲む人はキレのある辛口を好む傾向がある。フルーツジュースが好きな人は香り高い吟醸系が合う。レモンサワーをよく飲む人なら、酸味のあるタイプやソーダ割りが気に入ることが多い。

金井酒造店の「蔵元AI」は、6つの質問に答えるだけで22銘柄の中から合う一本を選ぶツールだ。プレゼントを選ぶときにも使える。

贈りたい相手のことを想像しながら答える。「お酒にそこまで詳しくないから入門」「料理と合わせるのが好きだから食中酒」「コーヒーは砂糖を入れる人だからフルーツジュース寄り」。わからない質問は「こだわりなし」を選べばいい。それだけで、その人に合いそうな3本が出てくる。


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