神奈川のクラフトドリンク図鑑 — ビール、ワイン、そして酒蔵のレモンサワー
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神奈川といえば、横浜の港、鎌倉の古寺、湘南の波——そんなイメージが真っ先に浮かぶかもしれません。でも実は、この県はクラフトドリンクの豊かな土地でもあります。ビール、ワイン、日本酒、そして最近はリキュールまで。地元の作り手たちが、それぞれの場所で丁寧に醸しているものが、思った以上にたくさんあるんです。
今日は少し寄り道しながら、神奈川のクラフトドリンクをひとつひとつ眺めてみたいと思います。
神奈川クラフトの代表格 — 白笹鼓
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目次
クラフトビール — 海沿いと山の間で育つ泡
神奈川のクラフトビールシーンは、全国的に見ても歴史が長いほうです。1990年代の地ビール解禁の頃から、この地域には先駆者たちがいました。
鎌倉エリアには、古都の雰囲気に馴染むような落ち着いたブルワリーがあり、地元産の食材を使ったビールを少量ずつ丁寧に作っています。観光で訪れた際に立ち寄れるタップルームも増えてきました。
厚木を拠点とするサンクトガーレンは、神奈川クラフトビールの先駆けとも言える存在です。チョコレートビールやオイスタースタウトなど、個性的なラインナップで長年ファンを惹きつけています。
湘南エリアのブルワリーは、海の空気感そのままのライトで爽やかなスタイルが多い印象です。サーフカルチャーと地ビール文化が自然に溶け合っている、湘南らしい組み合わせだと思います。
ワイン — 丘の上の小さなワイナリー
ワインはどうでしょう。神奈川というと意外に思われるかもしれませんが、県内にもブドウ栽培に取り組む生産者がいます。規模は小さくても、神奈川の気候と土壌と向き合いながら、少しずつ畑を育てているワイナリーが存在します。
厚木や相模原の丘陵地帯は、昼夜の温度差が比較的あり、ブドウ栽培にある程度の適性があると言われています。地元のレストランと連携して、小ロットのワインを提供しているところもあります。まだ「神奈川ワイン」は発展途上かもしれませんが、だからこそ今が一番面白い時期かもしれません。
日本酒 — 秦野の名水が育む一杯
そして、日本酒です。
神奈川県内にはいくつかの酒蔵が残っていますが、秦野市にある金井酒造店もそのひとつです。創業は江戸時代にさかのぼり、丹沢山系から湧き出る水を仕込み水として使い続けてきました。
秦野の水は「丹沢の雫」とも呼ばれ、環境省の名水百選にも選ばれています。軟水でやわらかく、それがそのまま酒の質に出ます。金井酒造の代表銘柄「白笹鼓(しらささつづみ)」は、その水の恩恵を受けた、すっきりとした飲み口の日本酒です。
甘すぎず、辛すぎず。料理を選ばず、でもちゃんと酒としての主張がある。そういう酒です。地元の居酒屋でさらりと出てくると、なんだかほっとします。
そして、酒蔵がレモンサワーを作った話
金井酒造店がおもしろいものを作っているという話を聞いていました。日本酒の蔵がレモンサワーを、というのが最初は不思議だったんですが、飲んでみて納得しました。
「クラッチュ 湘南潮彩レモン40」という商品です。
ベースに使っているのは大吟醸酒。レモン果汁の含有量は40%という、かなり果汁を重視した配合です。使用するレモンは、神奈川県湯河原産のものを中心に使用しています。湯河原は温暖な気候でレモン栽培に向いていて、皮まで使えるほどきれいに育てられたものが収穫されます。
飲んだ印象を言葉にすると——レモンの香りが最初にふわっと来て、果汁の酸味がはっきりあって、でも後味は大吟醸由来のやさしい甘みと旨みが残る。甘ったるくないし、薄くもない。レモンサワーとして本気で作られた一本です。
「酒蔵のレモンサワー」というと、日本酒の副産物みたいに受け取られることもあるかもしれませんが、これは明確に違います。大吟醸をベースに選んでいること、果汁を40%まで上げていること、地元のレモンにこだわっていること——それぞれに意図があります。
神奈川のクラフトドリンクという文脈で飲むと、また違う味がします。秦野の水、湯河原のレモン、そして何百年も酒を作り続けてきた蔵の技術。土地の記憶が一本に入っているような気がして、少しだけ感慨深くなりました。
神奈川クラフト、一日コース案
もし「神奈川のクラフトドリンクを一日で楽しむ」とするなら、こんなルートはどうでしょう。
午前 — 秦野:金井酒造店を訪ねる。名水百選の弘法の清水も近くにあるので、仕込み水の源流を感じてみる
昼 — 湘南エリア:海沿いのカフェやレストランで、湘南のクラフトビールとともに昼食
午後 — 鎌倉:古都を散策しながら、鎌倉エリアのブルワリーへ立ち寄り
夕方 — 帰路:お土産に白笹鼓とクラッチュ 湘南潮彩レモン40を一本ずつ
完全にお酒中心のコースになりましたが、それはそれで悪くない一日だと思います。
土地の味を、ゆっくり
神奈川は横浜や鎌倉に人が集まりますが、少し視野を広げると、秦野や厚木や湯河原にも、それぞれの風土で育てられたものがあります。

クラフトドリンクの面白さは、飲んでいると「ここはどんな場所なんだろう」と思わせてくれるところにあると思います。ラベルを眺めて、作り手の話を調べて、実際にその土地に行ってみる——そういう連鎖が起きることがあります。
白笹鼓を飲んで秦野に行ってみた人、クラッチュを飲んで湯河原のレモンが気になった人、が少しでも増えてくれたら嬉しいです。
神奈川のクラフトシーンは、まだ広がっている途中です。
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