和らぎ水とは? 日本酒のチェイサーの飲み方・量・タイミングを蔵元が解説
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※ 写真はイメージです
日本酒を飲んでいると、お店によっては徳利と一緒に小さなグラスの水が出てくることがある。あれは何のための水なのか、いつ飲めばいいのか。気になったことのある人は多いはずだ。
この記事では「和らぎ水(やわらぎみず)」について、何のために飲むのか、どのくらいの量を、どんなタイミングで飲めばいいのかを順番に案内していく。お酒と同じくらい水を大事にすると、日本酒はぐっと飲みやすく、楽しくなる。
和らぎ水とは(チェイサーの日本酒版)
和らぎ水とは、日本酒を飲む合間に飲む水のことだ。 お酒の刺激を和らげ、酔いのペースをゆるやかにし、口の中をいったんリセットしてくれる。ウイスキーや焼酎で言うところの「チェイサー」を、日本酒の文化のなかで呼んだ名前——それが和らぎ水だと考えてもらえばわかりやすい。
「チェイサー」も「和らぎ水」も、やっていることはほとんど同じ。強いお酒の合間に水を挟む、という行為を指す。違いは呼び名と、少しの文脈だけだ。
| 和らぎ水 | チェイサー | |
|---|---|---|
| 主に使う場面 | 日本酒 | ウイスキー・焼酎・カクテルなど |
| 言葉のニュアンス | 酔いを「和らげる」日本酒由来の呼び名 | 強い酒を「追いかける(chase)」一杯 |
| 中身 | 基本は水(常温〜冷たい水) | 水・炭酸水など |
| 目的 | 酔いのペース調整・口直し・水分補給 | ほぼ同じ |
つまり「日本酒のチェイサー=和らぎ水」。この記事ではおもに日本酒の場面を想定して和らぎ水と呼ぶが、頭のなかでチェイサーと置き換えてもらって差し支えない。
なぜ和らぎ水を飲むのか
水を一杯挟むだけ、と侮るなかれ。和らぎ水には大きく3つの役割がある。
酔いのペースをゆるやかにする。 日本酒はアルコール度数が15度前後とそれなりに高い。続けて飲めばどうしてもペースが上がりがちだが、合間に水を挟むと一杯あたりの時間が自然と伸びる。結果として、急に酔いがまわってしまうのを防ぎやすくなる。
水分を補う。 アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上に体から水分が出ていきやすいと一般的に言われている。喉が渇いた・翌朝つらい、の一因がこれだ。お酒と同じくらいの量の水を一緒にとる習慣は、その対策としてよく勧められている。
口の中をリセットする。 これは味わいの面で大きい。濃い料理や脂ののった肴のあとに水を一口含むと、舌がリセットされて、次の一杯の香りや旨味がもう一度くっきり立ち上がる。冷酒から燗酒へ、淡麗から濃醇へと飲み進めるときも、水を挟むと一本一本の表情がよくわかる。利き酒の現場で水が欠かせないのも同じ理由だ。
量とタイミングの目安
難しいルールはない。目安は「日本酒と同じくらいの量の水を、飲み進めながら少しずつ」。 お酒一合(180ml)に対して、同量前後の水をちびちび挟んでいくイメージでいい。
タイミングのコツをいくつか挙げておく。
- 一杯飲んだら、次の一杯の前に一口。これを基本のリズムにする。
- 味の濃い料理を食べたあと、口の中をリセットしたいときに一口。
- 「少しまわってきたかな」と感じたら、ひと呼吸おいて多めに一口。
- 飲み終わりにも一杯。締めの水が翌朝を助けてくれる。
水の温度は常温か、少し冷たいくらいが飲みやすい。冷酒を楽しんでいるなら冷たい水、燗酒なら常温〜白湯にすると、お酒の温度感を邪魔しない。炭酸水を和らぎ水代わりにすると口の中がさっぱりするので、揚げ物や濃い味の肴のときに気持ちいい。
翌日を軽くするために
和らぎ水は、いわゆる二日酔い対策としてもよく話題にのぼる。アルコールで失われがちな水分を飲みながら補い、酔いのペースをゆるめておくことは、翌朝の体を軽くする方向に働くと一般的に言われている。
ただし、水を飲めば必ず二日酔いを防げる、というものではない。飲む量そのものや体調、その日のペースの影響のほうが大きい。和らぎ水はあくまで「楽しく、無理なく飲むための一杯」。水も味方につけたうえで、自分の適量の範囲で楽しむのがいちばんだ。二日酔いの予防と対策は別記事にまとめているので、気になる人はそちらも読んでみてほしい。
水とお酒、両方を味わう
日本酒は、仕込み水の良し悪しで味が決まると言われるほど水と縁が深いお酒だ。私たちの蔵がある神奈川・秦野は、名水百選にも選ばれた表丹沢の伏流水が湧く土地で、その中硬水で白笹鼓を仕込んでいる。だからこそ、飲むときに添える一杯の水も、お酒の一部として味わってほしいと思っている。
「日本酒は強くて苦手」という人ほど、まず和らぎ水を味方につけてみてほしい。水を挟みながらゆっくり飲むと、アルコールの角がとれて、香りや旨味のほうに意識が向く。日本酒を試してみたい人に、その入口でつまずいてほしくない——これは蔵元としての素直な願いだ。一杯の水が、次の一杯をもっとおいしくしてくれる。
自分に合う一本を見つける
和らぎ水を添えて、さて何を飲もう。「結局どの日本酒が自分に合うの?」と迷うなら、蔵元AIが6つの質問であなたの好みに合う一本を選びます。