横浜で神奈川の地酒が飲める店・買える店 — 日本酒好きのための横浜ガイド
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横浜に住んでいる人、あるいは横浜を訪れた人が「神奈川の地酒を飲みたい」と思ったとき、どこに行けばいいのだろう。新潟の酒、山形の酒、秋田の酒——地方の銘酒を出す店は横浜にもたくさんある。しかし「神奈川の地酒」となると、意外と情報が少ない。
実は神奈川県には14の酒蔵がある。丹沢の伏流水、箱根の清流、足柄の湧き水。それぞれの土地の水で醸された個性豊かな酒がある。横浜は神奈川県の県庁所在地でありながら、県内の地酒に触れる機会が少ないという、ちょっともったいない状況にあった。しかし最近は、横浜で神奈川の地酒を「飲める」場所と「買える」場所の両方が充実してきている。
この記事では、横浜で神奈川の地酒を楽しめるスポットをまとめた。料理と一緒に杯を傾ける「飲める店」と、自宅用やお土産として持ち帰れる「買える店」の両方を紹介する。
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飲める店——料理と一緒に神奈川の地酒を味わう
横浜で日本酒を飲める店は数多いが、「神奈川の地酒」を意識的に揃えている店となると、ぐっと絞られてくる。地元の酒を、地元の料理と合わせて飲む。その土地の風土を丸ごと味わう。そんな体験ができる店を紹介したい。
日本酒バル UMAMI(ウマミ)は、横浜駅近くの鶴屋町にある日本酒専門バルだ。このUMAMIがすごいのは、神奈川県全14蔵の地酒を飲み放題で楽しめるという点にある。¥3,250で神奈川の全蔵を制覇できる店は、おそらくここだけだろう。日替わりで全国の銘柄も入れ替わるから、行くたびに新しい発見がある。築地直送の鮮魚を使った料理と、神奈川の地酒のペアリングを楽しみたいなら、まずここを押さえてほしい。同じ運営の2号店「UMAMI日本酒弐番館」では、47都道府県の地酒100種が飲み放題で、酒粕や塩麹を使ったコース料理とともに全国の酒を横断できる。神奈川の地酒を入口にして、全国の酒へと視野を広げる——そんな飲み方ができるのが、UMAMIの面白さだ。
創作おでん てるは、桜木町の花咲町にある立ち飲みスタイルのおでん居酒屋だ。おでんと日本酒は黄金の組み合わせだが、この店のこだわりは酒の選び方にある。店主自ら神奈川の蔵元に足を運んで直接仕入れを行い、季節ごとに酒のラインナップを入れ替えている。神奈川の地酒を中心に、店主の目利きで選ばれた酒が並ぶ。白出汁で仕立てた創作おでんと、蔵元直仕入れの地酒。この組み合わせは、寒い季節にはもちろん、夏でもひんやりした冷酒と冷製おでんで楽しめる。小田原に住みながら野毛エリアまで通う店主の、酒と料理への情熱が伝わる店だ。
小料理ほおづきは、神奈川の地酒に特化した小料理屋だ。県内の蔵元の日本酒を揃え、和食の料理人がひと手間かけてつくる家庭料理と地酒を楽しめる。カウンターにはお燗器が据えてあって、一人でも燗酒を楽しめるのが嬉しい。冷酒だけでは出会えない地酒の味わいが、燗にすることで開く。神奈川の地酒を燗で飲む体験を求めるなら、ほおづきのカウンターが最適だ。
いずれの店も、営業時間やメニューは時期によって変わることがあるので、訪問前に各店舗へ直接確認いただくのが確実だ。
神奈川の地酒に共通する特徴は、丹沢山系の水系に沿った蔵が多く、その水質——軟水で、ミネラルバランスが穏やか——が酒の味に反映されている点だ。強い主張よりもきれいな飲み口を持つ酒が多く、和食全般との相性が抜群にいい。寿司、天ぷら、おでん、焼き鳥——何と合わせても喧嘩しない酒は、飲食店にとっても使いやすい存在なのだ。金井酒造店の白笹鼓(しらささつづみ)も、丹沢の名水百選の伏流水で仕込んだ、まさにその「きれいな飲み口」の代表格だ。
横浜にいながら神奈川の風土を味わう。地酒を出す店で過ごす時間は、旅先の居酒屋に立ち寄るような、ちょっとした非日常をくれる。
買える店——横浜で神奈川の地酒が手に入る酒販店
横浜で神奈川の地酒を買いたいとき、知っておくべき店がある。いずれも目利きのスタッフがいるから、「神奈川の地酒でおすすめはありますか」のひと言で始まる会話が楽しい。
横浜高島屋の地下にある和洋酒売場は、「酒呑み天国」とまで称される品揃えだ。日本酒だけで約100蔵・約600種。そのうち約50銘柄は横浜高島屋が特約店契約を結ぶ限定流通品で、獺祭や醸し人九平次といった人気銘柄が一堂に集まる。神奈川県内の蔵元にも力を入れていて、泉橋酒造(海老名)や大矢孝酒造(愛川町)など県内7蔵の酒が並ぶ。「発見・楽しい・伝える」をコンセプトにした売場は、ビギナーからプロユースまで対応できる懐の深さがある。日本酒に詳しくなくても、スタッフに相談すれば神奈川の地酒を選んでくれる。ギフト包装も百貨店ならではの安心感がある。
横浜君嶋屋は、1892年(明治25年)創業の老舗酒販店だ。南区南吉田町の本店は、横浜で100年以上うまい酒を探し続けてきた歴史がある。Discover Japan誌にも取り上げられた名店で、日本酒・焼酎・ワインを「食を中心に据えた酒」として選んでいる。神奈川県内の蔵元の地酒を7蔵扱っており、蔵元の想いを大切にした品揃えが特徴だ。「この酒にはどんな料理を合わせればいいですか」と聞けば、食卓ごと提案してくれる。そういう酒屋は、横浜でもなかなかない。営業時間は11:00〜19:30(土曜は10:00〜)、日曜定休。オンラインショップもある。
三河屋かみや CIAL横浜ANNEX店は、創業100年を超える横浜の酒販店が横浜駅直結の商業施設に出した店舗だ。全国60以上の蔵元と契約し、厳選した銘柄が並ぶ。この店のユニークなところは角打ち(立ち飲み)コーナーが併設されていることで、買う前に一杯試せる。横浜駅北口から徒歩5分、10:00〜21:00営業だから、仕事帰りにふらっと寄って一杯飲んで、気に入った酒を一本買って帰る——そんな使い方ができる。藤棚商店街の本店も味わいがあるが、アクセスの良さではCIAL横浜ANNEX店が圧倒的だ。
横浜で神奈川の地酒が買える店は、実は身近なところにある。仕事帰りの一本、週末のお土産に、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
神奈川の地酒を知る入口としての横浜
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横浜は神奈川県最大の都市であり、県内外から人が集まる場所だ。その横浜で神奈川の地酒に触れられる環境が整いつつあるということは、地酒文化の裾野が広がっているということでもある。
フランスではパリのビストロでブルゴーニュやボルドーのワインを飲むのが当たり前だし、京都の居酒屋では伏見の酒が定番だ。地元の酒を地元で飲む。それはごく自然なことのはずなのに、神奈川ではこれまでその「当たり前」が成立しにくかった。東京に近いがゆえに全国の銘酒が手に入りやすく、逆に足元の地酒が埋もれてしまっていたのだ。
しかし地産地消の意識が高まり、「わざわざ遠くのものを取り寄せるより、近くのものを楽しもう」という価値観が広がるなかで、神奈川の地酒への関心は確実に高まっている。UMAMIが神奈川全14蔵の飲み放題を看板にし、君嶋屋が県内7蔵を丁寧に扱い、高島屋が神奈川コーナーに力を入れるようになったのは、その表れだ。
金井酒造店は明治元年(1868年)の創業以来、秦野の丹沢伏流水で酒を醸し続けてきた。代表銘柄の白笹鼓は、その水のきれいさがそのまま酒質に表れている。やわらかく、きれいで、料理の味を引き立てる。横浜の飲食店で「神奈川の地酒を」とオーダーしたとき、グラスに注がれるのがこの酒であれば、それは秦野の自然がそのまま横浜に届いているということだ。
日本酒が苦手な人には、金井酒造店のクラッチュ 湘南潮彩レモン40という選択肢もある。大吟醸ベースに湯河原産レモン果汁40%で仕込んだレモンサワーの素で、ソーダで割れば缶チューハイとは別次元の一杯になる。日本酒もリキュールも同じ蔵が造っているというのは、蔵元の多様性を伝える上でも面白い。
横浜は、神奈川の地酒を知るための最初の一歩を踏み出すのにちょうどいい街だ。ここで出会った一杯が、蔵元を訪ねるきっかけになるかもしれない。
蔵元を訪ねる——横浜から秦野へ
横浜で神奈川の地酒に興味を持ったら、次はぜひ蔵元を訪ねてみてほしい。金井酒造店は秦野市堀山下182-1にあり、横浜からのアクセスは思いのほか良い。小田急線で横浜駅から海老名経由で渋沢駅まで約1時間。渋沢駅から蔵元までは徒歩約25分だ。車の場合は、横浜駅周辺から東名高速道路経由で約50分、新東名の秦野丹沢インターチェンジからはわずか5分で到着する。
金井酒造店の直売所は月曜から土曜の9時から17時まで営業しており、蔵元ならではの品揃えが楽しめる。直売所でしか手に入らない限定品や、その時期だけの季節商品もある。横浜の店で飲んだあの酒が、どんな場所で、どんな水で造られているのか。それを自分の目で確かめに行く旅は、酒の味をもう一段深く理解させてくれる。
秦野には金井酒造店だけでなく、名水百選の湧き水スポット、弘法山ハイキングコース、菜の花台展望台やヤビツ峠といった絶景ポイントもある。蔵元訪問とあわせて秦野観光を組み合わせれば、横浜からの日帰り小旅行として十分に楽しめる一日になるだろう。
横浜で神奈川の地酒を飲み、買い、そしてその酒を醸す蔵元を訪ねる。その一連の体験こそが、地酒を楽しむということの本質だと思う。
金井酒造店のお酒はオンラインストアでも蔵元直送で購入できる。横浜の店頭で気に入った銘柄があれば、リピート注文も便利だ。
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