表丹沢ネイチャーアクティビティの拠点・秦野 — 自然で遊んで、蔵元の酒を飲んで帰る

※ 写真はイメージです

丹沢と聞いて思い浮かべるのは、山深い森と急峻な尾根だろう。でも丹沢には「表」がある。丹沢山系の南東側、太平洋に面したなだらかな斜面。その麓に広がる秦野市が、表丹沢だ。

表丹沢は、丹沢のいちばん手前にある自然だ。東京から1時間。横浜から1時間。それだけの距離で、1,491メートルの山にも、235メートルの丘にも、清流にも、キャンプ場にもアクセスできる。ここを「自然の入口」と呼ぶのは、決して大げさではない。

秦野市は表丹沢をネイチャーアクティビティの拠点として推進している。登山、ハイキング、トレイルラン、キャンプ、川遊び、森林セラピー——自然の中で体を動かすあらゆる遊びが、この街を起点に始められる。そして遊んだ後には、明治元年創業の蔵元で酒を買って帰る。それが表丹沢の流儀だ。

表丹沢とはどこか——丹沢の「こちら側」

丹沢山系は神奈川県の北西部に広がる大きな山塊だ。最高峰は蛭ヶ岳の1,673メートル。その山塊の南東側、秦野市に面した斜面と山裾のエリアが「表丹沢」と呼ばれている。

「表」という言葉には、玄関口という意味がある。丹沢に入る最初の扉。東京や横浜から来る人にとって、最初に目に入る丹沢の姿。それが表丹沢だ。

表丹沢の特徴は、街と山の距離が近いことだ。秦野市の市街地から車で15分も走れば、本格的な登山口に着く。駅からバスで15分乗れば、標高1,491メートルの塔ノ岳への入口に立っている。

この「近さ」が、表丹沢のネイチャーアクティビティを特別なものにしている。山奥に分け入らなくても、日常の延長線上に自然がある。仕事が休みの土曜日、朝少し早く起きて電車に乗れば、昼前には山の中にいる。そして夕方には蔵元で酒を選んでいる。そういう一日が成立する場所だ。

登山——塔ノ岳、鍋割山、弘法山という三つの選択肢

表丹沢のネイチャーアクティビティで、まず筆頭に挙がるのが登山だ。秦野市から登れる山は複数あるが、代表的な三座を紹介する。

塔ノ岳は標高1,491メートル。大倉尾根から登る表丹沢の王道ルートで、山頂からの富士山と相模湾の眺望は圧倒的だ。標高差約1,200メートルを一気に登るので体力勝負だが、日帰りで登れる山としては関東随一の達成感がある。大倉バス停が起点で、小田急渋沢駅からバスで約15分。往復7時間前後の行動時間を見ておきたい。

鍋割山は標高1,272メートル。山頂の鍋割山荘で食べる鍋焼きうどんが全国的に有名で、「うどんの山」として親しまれている。こちらも大倉が起点。沢沿いの穏やかな道から始まるので、塔ノ岳とはまた違った表情の山歩きが楽しめる。

弘法山は標高235メートル。秦野駅から歩いて行ける、スニーカーでも歩けるハイキングコースだ。権現山、弘法山、吾妻山を縦走して鶴巻温泉駅に下りるルートは所要2時間ほど。春には2,000本の桜が咲く。登山初心者や家族連れにとって、弘法山は「山歩きの入門」にちょうどいい

この三つの山が同じ秦野市にあるということが重要だ。体力と経験に応じて、自分に合った山を選べる。そしてどの山から下りてきても、帰り道の途中に蔵元がある。

キャンプ——滝沢園と川の夜

表丹沢の大倉エリア、水無川の上流に滝沢園キャンプ場がある。テントサイトとバンガローがあって、川のすぐ横で一夜を過ごせる。夜は川のせせらぎが子守唄になる。都心のノイズとは真逆の音だ。

滝沢園の魅力は、山と隣り合わせのキャンプ場だということ。昼間は塔ノ岳や鍋割山を歩いて、夕方にキャンプ場に戻ってくる。テントを張って、焚き火を起こして、夜を待つ。そのとき手元にあるのが、この土地の蔵元が造った酒だとしたら——それはもう、完璧な一日だ

滝沢園では金井酒造店の酒が買える。弘法山や白笹鼓が売店に並んでいて、キャンプ場にいながら蔵元の酒を味わえる。焚き火のそばで、秦野の名水で仕込まれた酒を飲む。川の音を聞きながら。山のシルエットを見上げながら。表丹沢のネイチャーアクティビティとは、こういう体験のことだ。

※ 写真はイメージです

川遊び——戸川公園の水無川

県立秦野戸川公園は、水無川の流域に広がる大きな公園だ。あの印象的な「風の吊り橋」がシンボルで、年間61万人が訪れる秦野最大の集客スポットになっている。

夏の戸川公園は川遊びの場所だ。水無川の浅瀬で子どもたちが水と戯れる。大人はその様子を見守りながら、木陰でのんびりする。バーベキュー場には屋根付きの炉があって、持ち込みBBQが楽しめる。お酒の持ち込みは自由だから、クーラーボックスに蔵元の酒を忍ばせておくのが上級者のやり方だ。

クラッチュ 湘南潮彩レモン40をソーダで割ったレモンサワーは、夏の川辺で飲むのに最高の一杯だ。清酒(大吟醸)と醸造アルコールがベースで、果汁40%のレモンの酸味がきいている。缶チューハイとは別次元の爽快感。炭火で焼いた肉との相性も抜群だ。

戸川公園から金井酒造店の直売所は近い。同じ秦野市堀山下の中に、公園と蔵元が共存している。川遊びの帰りに蔵に寄って、明日飲む酒を選んで帰る。そういう動線が自然にできあがっている。

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トレイルラン——山を駆ける人たちの拠点

表丹沢はトレイルランニングのフィールドとしても注目されている。大倉尾根を走って塔ノ岳を往復するランナーは多いし、弘法山周辺の低山トレイルは練習コースとして最適だ。

トレイルランナーにとって、表丹沢の魅力はバリエーションの豊富さにある。標高差1,200メートルの急登から、なだらかな尾根道まで、鍛えたいポイントに応じてコースを選べる。大倉起点で山に入り、大倉に戻ってくるルートが多いので、車を停めてピストンで走れるのも便利だ。

走り終わった後のリカバリーに、蔵元の酒。SAKE for Highballを炭酸で割って一杯。日本酒ベースのハイボールは、激しい運動の後でも重たくなく、すっきりと飲める。金井酒造店のSAKE for Highballは、まさにそういうシーンのために生まれた酒だ

季節ごとの表丹沢——一年中、理由がある

表丹沢のネイチャーアクティビティは、季節ごとにまったく違う顔を見せる。

春——弘法山の桜と戸川公園のチューリップ。3月下旬から4月にかけて、弘法山には約2,000本のソメイヨシノが咲き誇る。権現山の展望台から見下ろす桜の海は、秦野の春の風物詩だ。戸川公園ではチューリップが一面に咲いて、4月だけで12万人が訪れる。

春の花を見て歩いた帰りに、白笹鼓の春季限定酒を探す。蔵元の直売所には、季節ごとの限定酒が並ぶことがある。花見と地酒。その組み合わせは、ありきたりに聞こえるかもしれないが、蔵元から直接買う酒で花見をする経験は、想像以上に贅沢だ。

夏——川遊びとBBQの季節。戸川公園の水無川で子どもたちが歓声を上げ、バーベキュー場には炭の香りが漂う。早朝出発で塔ノ岳を登り、午後はキャンプ場で過ごすという欲張りなプランもいい。暑い日のクラッチュ 湘南潮彩レモン40は、蔵元が造った最高のクールダウンだ。

秋——紅葉とハイキング。表丹沢の紅葉は11月が見ごろだ。弘法山の縦走路が赤や黄色に染まり、塔ノ岳の大倉尾根からは紅葉の海越しに富士山が見える。気温が下がって歩きやすくなるこの季節は、登山のベストシーズンでもある。下山後のぬる燗が体にしみる時期だ。白笹鼓の本醸造をぬる燗で——秋の表丹沢の正しい締めくくり方だと、地元の人は言う。

冬——蔵見学と澄んだ空気。冬は山の上に雪が積もることもあるが、低山の弘法山なら冬でも歩ける。澄んだ冬の空気の中で見る富士山は、ほかの季節とは比べものにならないほど鮮明だ。そして冬は日本酒の仕込みの季節でもある。金井酒造店では蔵見学を受け入れることがあり、酒造りの現場を見られるのは冬ならではの体験だ。

秦野の湧き水——名水百選と酒造りの関係

秦野の水は、環境省の「名水百選」に選ばれている。丹沢山系に降った雨が地層を通って濾過され、秦野盆地の地下に巨大な水がめを形成している。市内のあちこちに湧水地点があり、「秦野盆地湧水群」として名水百選に登録されている。

この水が、秦野の酒造りを支えている。金井酒造店が明治元年から156年にわたって酒を造り続けてこられたのは、秦野の水があったからだ。丹沢の山に降った雨が、長い年月をかけて地下水となり、蔵の井戸から汲み上げられ、酒になる。

表丹沢のネイチャーアクティビティと酒造りは、実は同じ水でつながっている。山を歩くとき足元を流れている水、川遊びで浴びる水、キャンプ場のそばを流れる水——それと同じ水系の地下水が、蔵の中で酒に変わっている。自然で遊んで、その自然が生んだ酒を飲む。表丹沢では、遊びと酒が同じ水源を共有しているのだ

秦野の湧き水は「弘法の清水」「護摩屋敷の水」など、各所で汲むことができる。ペットボトルを持参して湧き水を持ち帰る人も多い。その水と同じ水系の地下水で仕込まれた白笹鼓や弘法山を、家で飲みながら秦野を思い出す——水がつなぐ記憶の循環だ。

蔵元に寄って帰る——モデルコース

表丹沢のネイチャーアクティビティを楽しんだ後、金井酒造店の直売所に寄って帰る。この「最後のひと寄り」が、一日の満足度を大きく変える。

金井酒造店は秦野市堀山下182-1。渋沢駅から徒歩約25分。大倉バス停方面からならもっと近い。直売所は月曜から土曜、朝9時から夕方5時まで営業している(日曜は不定休)。

蔵元の直売所には、白笹鼓(しらささつづみ)の各種日本酒に加えて、クラッチュ 湘南潮彩レモン40、SAKE for Highball、ウメザケ、ミライザケ、そして弘法山など、金井酒造店の全ラインナップが揃っている。

弘法山ハイキングの帰りなら、「弘法山」を買う。山と同じ名前の酒を持ち帰る。塔ノ岳を制覇した達成感には、白笹鼓の大吟醸がふさわしい。夏のBBQの帰りなら、次のBBQ用にクラッチュ 湘南潮彩レモン40を箱買いしておく。季節と体験に合わせて酒を選ぶ楽しみが、蔵元の直売所にはある。

ここは酒販店でもコンビニでもない。造っている場所で、造った人から買う。その体験は、酒の味そのものを変える。同じ酒でも、蔵元で買ったという記憶が加わるだけで、家で開けたときの一杯目が特別なものになる。

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これからの表丹沢——新東名がもたらす変化

表丹沢のアクセスは、これから大きく変わる。新東名高速道路の秦野丹沢インターチェンジがすでに開通しており、さらに2028年頃には秦野丹沢サービスエリアの開業が予定されている

このサービスエリアは、ただの休憩施設ではない。表丹沢の玄関口として、観光情報の発信や地域の特産品の販売拠点になることが期待されている。高速道路を下りる前に表丹沢の情報を手に入れて、そのまま山に向かう。帰りにSAで地元の酒を買って帰る。新しい動線が、もうすぐ現実になる。

現在でも、東京の新宿から小田急線で約1時間。横浜からも約1時間。十分に日帰り圏だが、新東名の全面開通でマイカーでのアクセスが格段に改善される。東名高速の渋滞に悩まされることなく、スムーズに表丹沢にたどり着ける時代がすぐそこに来ている。

秦野は変わろうとしている。でも変わらないものもある。丹沢の山、名水百選の湧き水、そして明治元年から続く酒蔵。表丹沢のネイチャーアクティビティは、この「変わるもの」と「変わらないもの」の交差点にある。

新しい道路が人を運んできて、古い蔵が酒を注ぐ。自然で遊んで、蔵元の酒を飲んで帰る。それが表丹沢のこれからのスタンダードになる。

自然は待っている。酒も待っている。あとは、行くだけだ。

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