丹沢山系の地酒 — 名水仕込みの蔵が集まる理由
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丹沢山系は神奈川県の北西部に広がる山地で、首都圏最大の自然地帯のひとつだ。この山系を水源とする伏流水が、足柄から秦野にかけての蔵元の仕込み水になっている。
良い水のあるところに酒蔵が生まれる。丹沢山系の麓にこれだけ多くの蔵が集まっているのは、偶然ではない。
下り酒とは別の系譜
江戸時代、灘(兵庫)や伏見(京都)から江戸へ海上輸送された高級酒を「下り酒」と呼ぶ。これが江戸の武家や裕福な町人に広まった。
一方、神奈川・丹沢麓の蔵元たちは、下り酒が届きにくい農村や宿場町の人々に向けた酒を造る蔵として発展してきた。地元の米と水で、地元の人が日常的に飲む酒を仕込む——その文脈が各蔵の創業の背景にある。金井酒造店が明治元年に創業した秦野も、丹沢山系の麓で農業が盛んな土地だった。
この「地の酒」の系譜が、現在の蔵元の地元密着型の酒造りにつながっている。
丹沢の水と酒造りの関係
※ 写真はイメージです
名水百選と白笹鼓
環境省が選定した名水百選のひとつに「秦野盆地湧水群」がある。丹沢山系の表丹沢から染み出した伏流水が、秦野盆地の各所で湧き出す。軟水寄りの中硬水で、米の旨みを引き出しながらも後味をきれいに消す水質だ。
金井酒造店(秦野市)の白笹鼓は、この名水百選の伏流水を仕込み水として使う。明治元年(1868年)の創業以来、同じ水源を使い続けてきた。水が変わらないことが、白笹鼓の骨格をつくっている。
足柄山系の水と足柄の蔵
松田町・山北町・開成町にある蔵元も、丹沢・足柄山系の水を水源に持つ。
- 松みどり(中澤酒造 / 松田町)
- 箱根山(井上酒造 / 山北町)
- 丹沢山・隆(川西屋酒造店 / 山北町)
- 酒田錦・セトイチ(瀬戸酒造店 / 開成町)
同じ山系の水を使いながら、蔵ごとに異なる米・麹・造り手の哲学が加わることで、銘柄ごとの個性が生まれる。
丹沢山という銘柄
「丹沢山」は川西屋酒造店(山北町)の銘柄名でもある。山の名前をそのまま銘柄にした一本で、登山者や丹沢に縁のある人への贈り物としても選ばれる。川西屋酒造店はもうひとつの銘柄「隆(りゅう)」も手がけており、こちらは全国的なファンを持つ実力派だ。
丹沢登山と地酒
※ 写真はイメージです
大山・塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳などの登山口は秦野・伊勢原・山北から入るルートが多い。下山後の一杯として、麓の蔵元の地酒を選ぶという楽しみ方がある。
秦野駅周辺には白笹鼓を扱う酒販店があるほか、金井酒造店のオンラインストアからの取り寄せも可能だ。登山仲間へのお土産としても使いやすい。
丹沢の水で造られた地酒を選ぶ
丹沢山系の水を仕込み水に使う蔵元の地酒は、産地の背景が語りやすい。山の水が酒になるという工程は、贈り物として渡すときの一言になる。
金井酒造店の白笹鼓は純米・本醸造・大吟醸の3ラインを展開。渡す相手と場面に合わせて選べる。
白笹鼓のラインナップ → 金井酒造店オンラインストア
足柄の酒蔵ガイド → 松みどり・箱根山・白笹鼓、足柄の蔵めぐり
神奈川の全酒蔵まとめ → 神奈川の酒蔵14蔵
神奈川県の酒蔵マップ → 東京国税局
神奈川県酒造組合 → kanagawa-jizake.or.jp