大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷

鎌倉も江ノ島も、もう何度行っただろう。神奈川でデートといえば、そのふたつの名前が真っ先に浮かぶけれど、少しだけ視線をずらすと、もっと静かで、もっと深みのある場所が待っている。

秦野市。丹沢山塊を背にした、湧水の町。観光地というより、暮らしの気配が残る場所。だからこそ、ふたりで訪れると、どこか旅の本質みたいなものに触れる気がする。

今日はそんな秦野を、半日ゆっくり歩くコースをご紹介します。

大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷

丹沢の山並みを望む、秦野の静かな朝。

秦野みやげに — 白笹鼓

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目次

まず、白笹稲荷神社へ。関東三大稲荷のひとつ

起点にしたいのが、白笹稲荷神社。伏見・豊川と並ぶ、関東三大稲荷のひとつです。

大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷 — まず、白笹稲荷神社へ。関東三大稲荷のひとつ

境内に足を踏み入れると、参道の空気がすっと変わる。朱塗りの鳥居が連なる景色は、派手さよりも静謐さが勝っていて、午前中の光の中では特別な奥行きを持つ。週末でも混雑しすぎず、ゆっくり並んでお参りできるのがいい。

この神社の名前が、地元の酒蔵が造る日本酒の名前の由来になっていることを、知っていましたか。「白笹鼓(しらささつづみ)」。白笹稲荷の「白笹」をいただいた名前です。地名と神社と酒が、ひとつの糸でつながっている。そういう文脈を知ると、参拝がもう少し豊かになる気がします。

金井酒造店で蔵見学。予約すれば、ふたりだけの時間も

神社から歩いてすぐ、金井酒造店があります。創業は江戸時代にさかのぼる老舗蔵元で、秦野の湧水を仕込み水に使い、丹沢山系の空気の中で酒を醸し続けています。

蔵見学は予約制。事前に連絡しておけば、ふたりだけでも案内してもらえます。大きな団体ツアーではなく、自分たちのペースで話を聞きながら歩けるのが、大人のデートにはちょうどいい。

大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷 — 金井酒造店で蔵見学。予約すれば、ふたりだけの時間も

時間が積み重なった空間に、湧水と米の香りが漂う。

蔵の中では、日本酒ができるまでの工程を目と鼻で感じられます。発酵の香り、薄暗い空間の温度感、積み重なった時間の気配。言葉よりも、体験が語るものがある。

見学のあとは、いよいよ試飲。「どれが好き?」と聞き合える時間は、意外と会話が弾む。甘口が好きか辛口が好きか、フルーティーな香りに惹かれるか、すっきりした後味が好きか。好みを語り合うことで、相手のことを少し、また知れる気がします。

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白笹うどん 多奈加で、古民家ランチ

お腹が空いたら、白笹うどん 多奈加へ。古民家を改装した店内は、梁が剥き出しで、床板がきしんで、それがすこぶるいい。観光のために作られた「古民家風」ではなく、本物の年月が積み上がった空間です。

うどんは秦野の湧水を使った自家製。透き通ったつゆに、もちっとした麺。シンプルなものほど、素材の良さが正直に出る。

大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷 — 白笹うどん 多奈加で、古民家ランチ

湧水が生んだうどん。古民家の静けさの中で、ゆっくりといただく。

嬉しいのは、日本酒も注文できること。白笹鼓を一合、うどんのそばに置いて。昼間から二人でちびちびやる贅沢は、秦野くらいの距離感の場所でないとなかなかできません。

田原ふるさと公園で、食後の散歩を

お腹が満たされたら、田原ふるさと公園へ足を延ばしてみてください。丹沢の山を望む広い園内は、季節によって表情を変えます。春なら桜と菜の花、秋には彼岸花。どの季節に訪れても、どこかのタイミングで「ここに来てよかった」と思える景色があります。

ランチのあと、ゆっくり歩く。それだけでいい。特別なアクティビティがなくても、景色を共有する時間は、ふたりの間に静かに積み重なっていきます。

直売所で、お土産を二人で選ぶ

帰り際には、金井酒造店の直売所に立ち寄ってください。ここでしか買えない一本が、待っています。

看板商品の白笹鼓は、ラベルの色が10色展開。純米、吟醸、にごりなど、種類によって色が変わります。棚に並んだ10色を前にして、「どれにする?」と選ぶ時間が、またいい。

もうひとつ、忘れずに手に取ってほしいのがクラッチュ。湯河原産のレモンを100%使用して作った、蔵元レモンサワーの素。日本酒はちょっと苦手...という方にも、ちょうどいい手土産です。

大人のデート、秦野編 — 酒蔵見学と古民家うどんと白笹稲荷 — 直売所で、お土産を二人で選ぶ

10色のラベルから、今日のふたりに合う一本を。

秦野は、近くて遠い場所

小田急線で新宿から1時間。思ったより近いのに、思ったより遠くに来た気がする。それが秦野の不思議なところです。

有名な観光地には、たくさんの人がいて、きれいな景色があって、それはそれで素敵です。でも、人ごみに揉まれると、ふたりの会話はどこかへいってしまう。

秦野なら、神社の静けさも、蔵の香りも、古民家のうどんも、公園の風も、ぜんぶ自分たちのペースで受け取れる。帰りの電車の中で、今日どこが一番よかったかを話し合いながら、袋の中の白笹鼓をそっと確かめる。

そういうデートが、長く記憶に残ると思います。

白笹稲荷神社 / 金井酒造店(蔵見学・直売所) / 白笹うどん多奈加 / 田原ふるさと公園 — すべて秦野市内、徒歩と車で回れる距離にあります。蔵見学はご予約をお忘れなく。


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