甘口の日本酒おすすめ|甘いだけじゃない、旨味のある一本の見つけ方

「甘口の日本酒がほしい」と言う人に、もう少し聞いてみると、求めているものが結構ばらばらだったりする。

フルーツのような華やかな甘さを期待している人もいれば、米の旨味がじわっと広がるタイプを求めている人もいる。「辛口は苦手だから甘口で」という消去法の人もいる。同じ「甘口」でも、合う一本はかなり違う。

※ 写真はイメージです

「日本酒度マイナス=甘い」は、半分だけ正しい

甘口の日本酒を探すとき、よく参考にされるのが日本酒度だ。マイナスの数値が大きいほど甘口——という説明を見かけることは多い。

たしかに目安にはなる。でも実際に飲んでみると、日本酒度がマイナスでもそこまで甘く感じない酒もあるし、逆にプラス寄りなのにやわらかい甘さがある酒もある。

これは酸度やアミノ酸度が味わいに影響しているからだ。酸味が強いと甘みが抑えられるし、アミノ酸が多いと旨味として感じる甘さが増す。数値だけで「甘い・辛い」を判断するのは、実はかなり難しい。

だから「甘口」を探している人には、数値よりも実際の味わいの方向性で選ぶほうが、失敗が少ないと思っている。

華やかな甘さと香りなら「黒笹Eden」

うちの蔵で、香りの華やかな甘口を求めている人にまず試してもらうのが黒笹 Eden(純米吟醸)だ。

グラスに注いだ瞬間から果実のような香りが広がり、口に含むとやわらかな甘みが続く。香りと甘さがそろっているので、日本酒を飲み慣れていない人にも「甘くて華やか」と伝わりやすい。¥2,200。

ワイングラスに注いで、少し冷やして飲むのがいい。食前酒として、あるいはフルーツやチーズと一緒に。日本酒のイメージが変わったと言ってもらえることが多い一本だ。

甘さに酸味のきいた甘酸っぱさが好みなら、低アルコールの碧笹もいい。白ワインのような甘酸っぱさで、香りよりも甘味と酸味のバランスで楽しむ一本だ。¥2,420。

旨味のある甘さなら「白笹鼓 純米」

一方で、米の旨味がしっかり感じられる甘口を探しているなら、白笹鼓の純米酒を試してほしい。

白笹鼓純米は、表丹沢の伏流水——ミネラルを含んだ中硬水で仕込んでいる。この水のおかげで、甘みの中に芯がある。ぼんやり甘いのではなく、米の旨味がしっかり乗った甘さだ。

こちらは食中酒として本領を発揮する。煮物や焼き魚、肉じゃがのような和食との相性がとてもいい。冷やでも常温でもぬる燗でも楽しめるから、温度帯で味わいの変化を試すのも面白い。

※ 写真はイメージです

甘口選びで大事なのは「何と合わせるか」

甘口の日本酒は、合わせる料理やシーンで選ぶと失敗しにくい。

華やかな甘口は、単体で楽しんだり、軽めのおつまみと合わせるのが向いている。食事のメインにがっつり合わせようとすると、料理に負けてしまうことがある。

旨味系の甘口は、食事の真ん中にどんと置ける。味付けがしっかりした料理にも寄り添えるし、温度を変えれば幅も広がる。

どちらが優れているという話ではない。求めている場面が違うだけだ。

自分に合う甘口を見つけるには

甘口と一口に言っても、方向性はいくつもある。華やかな甘さ、旨味の甘さ、やわらかい甘さ。どれが自分に合うかは、ふだんの好みや飲むシーンによって変わる。

「甘口がいいんだけど、どれがいいかわからない」という人は、蔵元AI診断を試してみてほしい。好みの傾向から、うちの22銘柄の中であなたに合いそうな一本を提案する。甘口の中でも、どういう方向の甘さが合うかがわかるはずだ。

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