日本酒、何から飲めばいい? — 初心者が最初の一本に出会うまでの話

「日本酒、ちょっと気になるけど何を選べばいいかわからない」。酒屋の棚の前で立ち尽くしたことがある人は、きっと多い。ラベルには「大吟醸」「純米」「本醸造」と書いてあるが、その違いがわからない。ネットで「日本酒 おすすめ」と検索すると「初心者におすすめの10選」が出てくるが、その10本がなぜ自分に合うのかは誰も教えてくれない。結局よくわからないまま、手を出さずに終わる。

その気持ちは、造り手側にいる私たちにもよくわかる。日本酒は全国に15,000銘柄以上ある。毎日1銘柄ずつ飲んでも全部試すのに40年以上かかる世界だ。そこから「あなたにはこれ」と一本を差し出すのは、正直なところ蔵元にとっても簡単ではない。だからこの記事では、おすすめの銘柄を並べるのではなく、「自分に合いそうな一本をどうやって見つけるか」という考え方のほうを伝えたいと思う。

目次

好みがわからないのは、当たり前のこと

日本酒を飲んだことがない、あるいは一度飲んで「よくわからなかった」という人が、自分の好みを言葉にできないのは当然のことだ。好みというのは何杯か飲んでみて初めて輪郭が見えてくるもので、最初から「私は淡麗辛口が好き」と言える人はいない。ワイン好きの人だって、最初から「ブルゴーニュのピノ・ノワールが好き」とは言わなかったはずだ。

だから、最初の一本は「最高の一本」でなくていい。旅の一歩目はどこから踏み出してもいいのと同じで、大事なのは一杯飲んでみることだ。飲んでみて「あ、これは好きだ」と思えばそこから先が広がるし、「ちょっと違うな」と思えば、それもまた次を選ぶヒントになる。

入り口は一つじゃない

日本酒への入り口はいくつかある。どこから入るかは、自分がふだんどんなお酒を飲んでいるかで変わる。

たとえば、ワインや果実酒のようなフルーティなお酒が好きな人なら、吟醸系の日本酒は驚くほどすんなり入れる。りんごや梨のような果実香がふわっと広がって、「これが日本酒?」と感じるはずだ。金井酒造店の白笹鼓 大吟醸は、華やかな香りと穏やかな甘味のバランスがちょうど真ん中あたりにある酒で、甘口とも辛口ともつかない絶妙な味筋が特徴だ。初めての一本の候補として、蔵元としてまっすぐ勧められる。花冷え(10℃くらい)に冷やして、できればワイングラスで飲んでみてほしい。もう少し果実感が強いほうが好みなら、黒笹 Edenも試してみてほしい。白笹鼓とは異なる酵母で仕込んだ酒で、パイナップルやマスカットを思わせる果実香がさらに鮮やかだ。フルーティなお酒が好きな人には、こちらのほうが刺さるかもしれない。

ビールやハイボールなど炭酸系が好きな人には、日本酒のソーダ割りという選択肢がある。SAKE for Highballは炭酸で割ることを前提に設計した日本酒で、割っても味がぼやけない。氷を入れたグラスにSAKE for Highballと炭酸水を注ぐだけで、食事に合う軽やかな一杯になる。日本酒の飲み方は冷酒や燗だけじゃないということを、この一杯が教えてくれる。

そもそも日本酒がちょっと怖い、という人もいるだろう。過去に居酒屋で飲んだ熱燗がきつかった、独特のにおいが苦手だった。そういう人に無理に日本酒を勧めるつもりはない。ただ、蔵の技術で造った「日本酒じゃないお酒」なら試せるかもしれない。クラッチュ 湘南潮彩レモン40は清酒(大吟醸)と醸造アルコールにレモン果汁を40%配合したレモンサワーの素で、炭酸で割ればジュースのような飲みやすさだ。ここから入って、気が向いたら白笹鼓を一口試してみる。そんな遠回りも、立派な入り口のひとつだと思っている。

「選べない」を楽にする方法

酒屋で迷ったときは、店員さんに「今日は何と一緒に飲むか」を伝えるのがいちばん確実だ。「甘口ください」「辛口ください」よりも、「唐揚げと飲みたい」「チーズに合わせたい」と言ったほうが、的確な一本が出てくる。料理との相性から逆算するのは、プロの酒屋さんが最も得意とするところだから。

あるいは、自分の好みの傾向をざっくり知りたいなら、金井酒造店の日本酒診断を試してみてもいい。いくつかの質問に答えるだけで、自分に合いそうなタイプが見えてくる。

一緒に探そう

15,000銘柄の中から「正解」を見つける必要はない。最初の一本が気に入らなくても、それは失敗ではなく「次はもう少し違うタイプを試してみよう」という手がかりだ。好みを探す旅に終わりはない。だから面白い。

この記事を書いているのは、神奈川県秦野市で明治元年から酒を醸してきた金井酒造店という小さな蔵元だ。大吟醸からレモンサワーの素まで、日本酒の技術を使ったいろいろなお酒を造っている。「日本酒、ちょっと飲んでみようかな」と思った人の最初の一歩に、うちの酒が寄り添えたらこれほど嬉しいことはない。

まずは一杯、気軽に試してみてほしい。

蔵元の季節便りをお届けします

新酒の案内、季節限定酒の情報、蔵のこぼれ話。金井酒造店のメールマガジンを無料でお届けしています。

会員登録する(無料)→

あなたに合う日本酒を見つけてみませんか?

蔵元のAIが、好みに合う一本を選びます。所要時間は約3分。

蔵元AI日本酒診断を試してみる →

蔵の新商品や季節の便りは、SNSでも発信しています。

Instagramをフォロー Xをフォロー
一覧に戻る