日本酒の酸度とは|酸度が高いと辛い?味への影響をわかりやすく
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※ 写真はイメージです
日本酒のラベルに「酸度 1.4」とか「酸度 1.8」と書いてあるのを見たことがあるだろうか。日本酒度(+3とか-2とか)は気にする人が多いが、酸度はなんとなくスルーされがちだと思う。
でも実は、酸度は味わいを左右するかなり大きな要素だ。「辛口なのに飲みやすい」とか「甘口のはずなのにキレがある」といった印象の正体は、酸度が関係していることが多い。
酸度って何を測っているのか
酸度は、日本酒に含まれる有機酸の量を表す数値。コハク酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸などが主な成分で、これらが多いほど酸度は高くなる。
一般的な日本酒の酸度は1.0〜2.0くらい。1.0前後なら酸味はほとんど感じない。1.5を超えてくると、酸味がはっきりと感じられるようになる。2.0以上になると、かなり酸がしっかりした味わいになる。
ただ、酸度が高い=酸っぱい、というわけでもない。ここがややこしいところ。
日本酒度×酸度で味が決まる
日本酒の味わいを大きく左右するのは、日本酒度と酸度のバランスだ。どちらか一方だけでは味は語れない。
日本酒度がプラスで酸度が高い酒は、辛口でキレがある。後味がすぱっと切れて、食事と合わせやすい。
日本酒度がマイナスで酸度が低い酒は、甘くてやわらかい。デザート感覚で楽しめるタイプ。
では日本酒度がマイナスで酸度が高い酒はどうなるか。甘味はあるのにキレもある、不思議な味わいになる。白ワインに近いと表現されることが多い。最近はこのタイプの日本酒が増えている。
逆に日本酒度がプラスで酸度が低い酒は、辛口だけど淡麗。さらっとしていて水のように飲める。いわゆる「淡麗辛口」はこのゾーンにある。
日本酒度についてもっとくわしく知りたい方はこちらの記事を。
酸の種類で印象が変わる
同じ酸度1.5でも、酸の種類によって感じ方はかなり違う。
コハク酸が多いと、旨味のある重厚な酸。貝の出汁に近い味わいで、燗にすると映える。
リンゴ酸が多いと、フルーティーで爽やかな酸。冷酒で飲むとワインのようなニュアンスが出る。
乳酸は穏やかで丸みのある酸。生酛(きもと)や山廃の酒に多く、味に厚みを与える。
クエン酸はシャープで軽い酸。柑橘系の爽やかさがあり、夏酒に向く。
ラベルに酸の種類までは書いていないことが多いが、「生酛」「山廃」と書いてあれば乳酸が多いだろうし、「吟醸」ならリンゴ酸が多い傾向にある。こうした背景を知っておくと、酸度の数字から味のイメージがしやすくなる。
※ 写真はイメージです
うちの酒の酸度をいくつか紹介
参考までに、金井酒造店の銘柄の酸度を挙げておく。
白笹鼓 本醸造は酸度1.3。低めの酸度で、すっきりとした淡麗辛口。燗にしても酸がでしゃばらず、料理の邪魔をしない。
碧笹は酸度1.5。やや高めで、冷やすと酸味がきれいに感じられる。夏の冷酒に向くのはこの酸のおかげ。
白笹鼓 大吟醸は酸度1.2。低い酸度でなめらか。香りの華やかさを酸が邪魔しない設計になっている。
同じ蔵の酒でも、酸度が違えば味の方向性はかなり変わる。辛口好きな方はこちらの記事も参考になるはず。
酸度を意識すると、選び方が変わる
日本酒選びで「辛口」「甘口」だけを基準にしていると、好みの酒にたどり着くまでに遠回りすることがある。酸度を見る習慣がつくと、ラベルの情報から味のイメージを組み立てられるようになる。
たとえば「日本酒度+3、酸度1.6」なら、キレのある辛口だろうな、と。「日本酒度-1、酸度1.2」なら、やわらかくて甘めだろうな、と。
もちろん数字だけですべてがわかるわけではない。使っている米、酵母、造り方で味は変わる。でも酸度は、自分の好みを言語化するためのかなり有効なツールだと思う。
自分に合う味わいがまだつかめていないという方は、おすすめの日本酒の選び方も参考にしてみてほしい。