「生搾りレモンサワー」って、本当に生搾り? — 言葉の中身と、果汁40%という選択肢

「生搾りレモンサワー」という言葉、ちょっと引っかかったことはありませんか。

居酒屋のメニューで見かけると、テーブルでレモンを半分に切って、その場でギュッと搾る——あの一杯を思い浮かべます。でも検索してみると、瓶やボトルで「生搾りレモンサワーの素」として売られている商品がずらりと出てくる。すでに搾って瓶に詰めてあるのに「生搾り」と呼ぶのは、どういうことなのか。

この記事は、その「生搾り」という言葉の中身をいったん落ち着いて確かめてみる回です。業界でこの言葉がどう使われているのかを中立に整理したうえで、では自分たちが造っている「クラッチュ 湘南潮彩レモン40」はその基準に対してどうなのか、事実だけを並べてみます。言い切りの売り文句ではなく、言葉の答え合わせとして読んでもらえたらと思います。


目次

「生搾り」って言葉、ちょっと引っかかりませんか

そもそも「生搾り」と聞いて多くの人がイメージするのは、その場でレモンを搾る動作のはずです。果実を手に取って、半分に切って、グラスの上で搾る。搾りたての果汁が炭酸と混ざる、あの瞬間。だからこそ「生搾り」という言葉には、フレッシュで、加工されていなくて、ごまかしがない、という響きがあります。

ところが店頭やオンラインショップで「生搾りレモンサワー」を探すと、ボトル詰めの商品がたくさん見つかります。当然ながら、瓶に詰まっている時点で、その場で搾ったものではありません。工場で搾って、瓶に入れて、流通に乗せて、手元に届く。それでも「生搾り」と名乗っている。

これは別に、どこかがウソをついているという話ではありません。実は飲料・酒類の世界で「生搾り」という言葉は、動作そのものよりも、もう少し別のニュアンスで使われていることが多いのです。そこを知らずに言葉だけで判断すると、「思っていたのと違う」というすれ違いが起きやすい。まずはこの言葉が業界でどう扱われているのかを見ていきます。


業界での「生搾り」は、動作ではなく中身を指していることが多い

レモンサワーやチューハイの文脈で「生搾り」が使われるとき、その多くは「お客さんが目の前で搾った」という動作ではなく、使っている果汁の性質を指しています。ざっくり言えば、加熱殺菌していないストレート果汁を使い、香料に頼らずレモンそのものの風味で勝負している——そういう中身を「生搾り(に近い)」と表現するケースが多い、ということです。

ここで効いてくるのが、果汁の作り方の違いです。レモン果汁には大きく分けて「濃縮還元」と「ストレート」があります。濃縮還元は、一度水分を飛ばして濃縮し、輸送・保存したあとに水を戻すタイプ。コストや安定供給の面で優れていますが、加熱の工程が入るため、搾りたての香りからは少し遠くなります。一方のストレート果汁は、搾った果汁をそのまま使うタイプで、非加熱のものは特に、生の果実に近い香りが残りやすい。「生搾り」という言葉は、後者のニュアンスに乗せて使われることが多いわけです。

実際の商品を見ると、果汁率の数字は幅があります。たとえば國盛の生搾りレモンサワー系は果汁15%前後とされ、他社の高果汁を打ち出すタイプでは18%前後を掲げるものもあります(このあたりはWeb上の表記ベースなので、購入前にラベルで確認するのが確実です)。どちらが良い悪いという話ではなく、「生搾り」という同じ言葉でも、果汁の種類や率は商品ごとにかなり違う、ということです。だから言葉だけでなく、原材料表示まで見て初めて中身が分かる。

レモンサワーの素を「果汁率」で見比べる視点そのものは、レモンサワーの原液・コンクを果汁率で選ぶ話でも整理しています。そもそも原液・コンクという言葉に馴染みがない場合は、そちらから読むと全体像がつかみやすいはずです。


じゃあ、クラッチュはどうなのか

「生搾りレモンサワー」の言葉の中身と果汁40%という選択肢を蔵元が解説

クラッチュ 湘南潮彩レモン40(720ml・¥2,750/1800ml・¥4,950)

ここまでの「生搾り」の中身——非加熱のストレート果汁で、香料に頼らない——という基準を踏まえて、自分たちの「クラッチュ 湘南潮彩レモン40」がどうなっているかを、事実だけ並べてみます。

  • レモンは神奈川・湯河原産の「湘南潮彩レモン」を100%使用。地場産の国産レモンです。
  • 果汁は非加熱で、果汁率は40%。
  • 香料・糖類・酸味料は不使用。レモンの酸味も香りも、果汁そのものから出しています。
  • ベースは清酒(大吟醸)と醸造アルコール。米由来のやわらかな旨みが、レモンの酸を包む設計です。

並べてみると、世の中で「生搾り」と表現されている商品が満たしている要件——非加熱ストレート果汁・香料に頼らない——を、果汁率の面ではむしろ上回る数字で満たしている、という事実が見えてきます。一般的な「生搾り」表記の商品が果汁15〜18%前後だとすると、クラッチュは40%。香料で「レモンらしさ」を足すのではなく、本物の果汁の量で厚みを出している、という構造です。

ただ、ここで「だからクラッチュこそ本物の生搾りです」と言い切るつもりはありません。あくまで、業界で「生搾り」と呼ばれている要件に対して、クラッチュはこういう数字とつくりになっている、という事実を置くだけです。判断の材料として読んでもらえればと思います。果汁率の比較をもっと具体的に並べたものは、レモンサワーの素を果汁率で比較する記事にまとめてあります。


それでも「生搾りそのもの」ではない、という話

正直に書いておきたいことがあります。果汁率がいくら高くても、非加熱のストレート果汁を使っていても、ボトル詰めのレモンサワーの素は「その場で搾る一杯」そのものではありません。ここは、はっきりさせておいたほうがフェアだと思います。

自分でレモンを半分に切って、グラスの上で搾る。あの一杯には、ボトルでは再現しきれない良さがあります。搾った瞬間に立ちのぼる皮の香り、果肉のかけらが入る食感、その日のレモンの個体差。手間をかけたぶんの満足感もある。「生搾り」という言葉が持っている魅力の中心は、たぶんこの体験の部分です。そこを「うちの果汁率のほうが上だから」と上書きできるとは思っていません。

だからクラッチュは、「自分で搾る一杯の完全な代わり」ではなく、「自分で搾らなくても、搾りたてに近い厚みを手軽に出せる選択肢」だと考えています。毎回レモンを買って、切って、搾って、というのは正直しんどい。それでも香料っぽいレモン感では物足りない。その間を埋めるのが、果汁40%・非加熱・香料なしという仕様の役割です。「生搾りを求めて市販の素に物足りなさを感じてきた人」に、ひとつの落としどころとして置いておきたい。


自分で搾らなくても、搾りたてに近い厚みが出る理由

では、なぜボトル詰めなのに搾りたてに近い厚みが出るのか。理由はシンプルで、香料ではなく本物の果汁を多く使っているからです。

香料でレモンの香りを足したレモンサワーは、立ち上がりの香りは派手でも、口に含んだときの「果汁の層」が薄いことが多い。酸味・甘み・皮の苦みがバラバラに感じられ、飲み込んだあとにすっと消えてしまう。一方、果汁そのものを多く含んでいると、この酸味・甘み・苦みが一体になって舌の上に広がり、余韻も長く残ります。非加熱のストレート果汁だと、加熱で飛びやすい繊細な香り成分が残りやすく、これが「搾りたてっぽさ」の正体です。

クラッチュの場合、そこに大吟醸ベースの米由来のやわらかな旨みが加わるので、レモンの酸の角が丸まり、全体がひとつの味としてまとまります。ソーダで割っても潰れない骨格がある、というのはこの旨みのおかげです。割り方を変えると濃さも香りの出方も変わるので、そのあたりはレモンサワーの割り方・アレンジの記事で具体的なパターンを紹介しています。家での一杯の幅を広げたいときに参考になるはずです。

なお、お店でレモンサワーを「他と違う一杯」として出したい、という業務用の視点で考えている方は、業務用レモンサワーの素として使うときの考え方もあわせてどうぞ。果汁率の高い素を起点にすると、メニューの差別化の角度が変わってきます。


「言葉」より「中身」で選ぶ

「生搾り」という言葉は、その場で搾る動作を連想させますが、業界では非加熱ストレート果汁・香料に頼らない中身を指して使われることが多い——ここまでをまとめると、そういう話でした。だからこの言葉に出会ったときは、表記そのものより、果汁の種類・果汁率・香料の有無といった中身を確かめるのが結局いちばん確実です。

クラッチュは、その中身の部分——湯河原産レモン100%・非加熱・果汁40%・香料/糖類/酸味料なし——を正直に開示している一本です。「生搾りそのもの」だと名乗るつもりはありませんが、「生搾りに近い満足感を、自分で搾らずに手軽に」という選択肢としてなら、胸を張って置けます。市販の素に物足りなさを感じてきた人ほど、果汁の密度の違いは分かりやすいと思います。


クラッチュ 湘南潮彩レモン40 大吟醸ベースのレモンサワーの素 720ml

クラッチュ 湘南潮彩レモン40

神奈川・湯河原産の湘南潮彩レモン100%、非加熱・果汁40%。香料・糖類・酸味料なし。清酒(大吟醸)+醸造アルコールベース。

720ml ¥2,750 / 1800ml ¥4,950(税込)

クラッチュ 湘南潮彩レモン40 を見る →

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