地域貢献を社内にどう説明するか — 稟議・予算・報告の通し方

やりたいことは決まっている。やったほうがいいのも分かっている。それでも止まるのは、社内を通せるか分からないからだと思います。

企業の社会貢献活動の事例を集めたページはたくさんありますが、その会社が社内をどう通したのかは、たいてい書かれていません。この記事では、稟議と予算と報告という、実際にぶつかる3か所に絞って書きます。

税務や会計の処理には触れません。そこは顧問の税理士さんや専門家に確認してください。

※ 写真はイメージです

共醸パートナーは、個人と法人でプランが分かれています

目次

稟議で聞かれるのは、だいたいこの4つ

決裁する側が見ているのは、取り組みの立派さではありません。判断できるかどうかです。聞かれるのはたいてい次の4つで、この4つに答えられていれば、中身の是非の議論に進めます。

  • 金額の根拠——なぜその額なのか
  • 期間——今年だけなのか、続くのか
  • 誰が動くか——担当者の時間はどれくらい取られるのか
  • やめ方——やめたくなったとき、どうやって抜けるのか

4つめが抜けている稟議は、止まりやすいところです。始める話ばかりで終わり方が書いていないと、決裁する側は「これは一度始めたら下ろせないのでは」と考えます。先に出口を書いておくほうが、むしろ通ります。

金額の根拠は「相場」ではなく「決め方」で書く

いくらが妥当か、という問いに一般的な答えはありません。調べても出てくるのは幅のある数字で、そのまま根拠にはできないと思います。

書けるのは金額そのものではなく、決め方のほうです。たとえば、相手が示している区分(プランや口数)のどれを選んだか、その区分を選んだ理由は何か。相手に金額の段階が用意されているなら、「なぜこの段階か」を書けば根拠になります。

一度きりの寄付なのか、毎年の支出なのかで、見られ方も変わります。年ごとに出す前提なら、来年以降の負担も込みで書いておくと、後から揉めません。

年度予算に乗せるなら、逆算で動く

年度の予算に入れるには、予算を組む時期から逆算することになります。イベントの協賛のように募集の時期が決まっているものは、そこを逃すと1年待ちです。

間に合わない場合は、まず小さく始めて、翌年度から予算化する手もあります。その場合も、稟議に「来年度は予算として計上する」と書いておくと、話が続きます。

年度の途中から参加できる仕組みかどうかは、相手に確認しておくといいところです。共醸パートナーの場合は、年度の途中からでも参加していただけます。

報告に残すものを、先に決めておく

終わってから記録を探すのがいちばん大変です。始める前に、何を残すか決めておくのがおすすめです。残しやすいのはこのあたりです。

  • 契約書・申込書——相手と何を約束したか
  • 請求書・受領証——いくら、いつ払ったか
  • 写真——当日の様子、掲示物、社名の出方
  • 当日の記録——参加した人数、かかった時間

お金を出すだけの取り組みは書類が残りやすく、人が動く取り組みは写真と記録がないと後に残りません。残るものが少ないやり方ほど、意識して記録を取る必要があります。

※ 写真はイメージです

社内と社外で、言い方を分ける

社内向けには、判断できる材料をそのまま書けば十分です。金額、期間、担当、やめ方。飾らないほうが通ります。

社外向け——ウェブサイトや会社案内にCSR活動の取り組み事例として載せる場合は、相手と理由が要ります。どこの、誰と、なぜ関わっているのか。ここが書けないと、どんな取り組みでも「やっています」以上にはなりません。

なお、こうした取り組みを何かの評価制度と結びつけて語る書き方は、この記事ではしません。根拠を確認していないからです。社内でどう位置付けるか(CSRなのか、地域連携なのか、広報なのか)も、会社ごとに決めることだと思います。

例として|年間契約というかたちは、稟議に乗せやすい

わたしたちがやっている「共醸パートナー」を例に出すと、法人の場合は金井酒造店との年間契約です。契約書を交わし、年間契約料としてお支払いいただきます。

稟議の4つに当てはめると、こうなります。

  • 金額の根拠——プランが枠の数で分かれています(TSUGU 継ぐ 年30万円/MUSUBU 結ぶ 年50万円/TSUKURU 創る 年90万円、いずれも税別)。どの枠を選ぶかが、そのまま根拠になります
  • 期間——締結日から1年
  • 誰が動くか——契約までの打ち合わせが中心
  • やめ方——満了の1か月前までに申し出れば更新されません。申し出がなければ同じ条件で1年続きます

書類は契約書と請求書が残ります。プランごとの具体的な内容(特典)の詳細は、お問い合わせください。経理上の扱いは、顧問の税理士にご確認ください。

通らなかったときは、金額より「続くか」を見直す

否決される理由は、金額そのものより「これは来年以降どうなるのか」が見えないことのほうが多いように思います。そこがはっきりすれば、額を下げる以外の直し方も見えてきます。

やり方ごとの手間や、やめるときどうなるかは、企業の地域貢献は何から始める?で5つの選択肢を並べています。酒蔵と組むかたちについては、法人向けの共醸パートナーにまとめました。「どれが合うか、まず相談したい」という段階でも構いません。

始め方より、終わり方を書いておく。

共醸パートナーは、個人と法人でプランが分かれています

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