チーズに合う日本酒|論文で確かめた相性と、チーズのタイプ別に蔵元が選ぶ組み合わせ

チーズにはワイン、というイメージがあるかもしれません。けれど、日本酒とチーズの相性は研究でも確かめられています。

日本醸造協会誌に載った、こばた・今田・浜田「料理と日本酒の相性に関する一考察」(114巻4号、2019年)は、料理と日本酒を実際に合わせて相性を調べた研究です。チーズは、モッツァレラ・チェダー・ゴルゴンゾーラ・カマンベールが試されています。その結論として、日本酒は洋風の料理の中でも特にチーズで相性がよいことが確認された、と書かれています。

その研究を手がかりに、私たち金井酒造店(神奈川・秦野)の酒から、チーズのタイプ別に合わせやすい組み合わせを選びました。

目次

日本酒とチーズが合う理由

研究では、理由をこう説明しています。

熟成の強いチーズは、グルタミン酸を主体としたアミノ酸と、塩分が多い。それが日本酒の旨味とよくなじみ、コク味を増す。

チーズの旨味と日本酒の旨味が重なって、味に厚みが出る、ということです。

選び方の基本は「濃淡を合わせる」

同じ研究は、料理と日本酒の相性を考えるときの基本を「料理の濃淡と酒の濃淡を合わせること」だとまとめています。

チーズに当てはめると、こうなります。

  • 熟成が進んだ、味の濃いチーズ → 濃醇な酒
  • 白カビのやわらかいチーズ → 旨味のある中くらいの酒
  • フレッシュで淡白なチーズ → すっきりした酒

当蔵の商品ページには、5段階の味わいチャートを載せています。その「淡麗←→濃醇」の目盛りを使って、チーズのタイプごとに選びました。

チーズのタイプ別の組み合わせ

チーズ 合わせる酒 淡麗←→濃醇 720ml(税込)
熟成した硬いチーズ(チェダーなど) 白笹鼓 原酒「笹の露」 4 1,760円
熟成した硬いチーズ(チェダーなど) ミライザケ 大地 3(原酒16度) 2,310円
白カビ(カマンベールなど) 黒笹Classic/白笹鼓 特別純米 3 1,870円
フレッシュ(モッツァレラ・クリームチーズなど) 白笹鼓 本醸造 2 1,540円

価格は2026年10月時点です。研究の「濃淡を合わせる」という基本に沿って、当蔵で選んだ組み合わせです。

熟成した硬いチーズには、笹の露か大地

研究で、旨味と塩分が多いとされたのが熟成の強いチーズです。合わせる酒にも厚みがほしいところです。

白笹鼓 原酒「笹の露」は、アルコール度数18度の濃厚な辛口で、当蔵の味わいチャートで濃醇の目盛りが「4」です。冷やかロックで、チーズの塩気と旨味に負けない飲みごたえがあります。

ミライザケ 大地は、密度の高い旨みと、ほのかな酸味のある純米吟醸の原酒(16度)です。商品ページでも、味のしっかりした料理に合う酒としてご案内しています。よく冷やして合わせてください。

カマンベールには、旨味のある特別純米

白カビのチーズは、熟成チーズよりやわらかい味です。黒笹Classicや白笹鼓 特別純米のように、旨味がありつつ濃すぎない酒が合わせやすいと思います。Classic は商品ページで洋食とも合うとしている特別純米で、冷やからぬる燗まで楽しめます。

フレッシュなチーズには、すっきりした本醸造

モッツァレラやクリームチーズのような淡白なチーズには、すっきりした酒を。白笹鼓 本醸造は、当蔵の酒で淡麗の目盛りがいちばん低い「2」で、キレは「5」です。研究では、淡麗な酒は穏やかな旨味の料理と合わせると酒の旨味が引き立つ、とされています。

※ 写真はイメージです

手軽に試すなら

スーパーやコンビニのチーズでも、タイプの違いは試せます。プロセスチーズやチェダー、カマンベール、クリームチーズを少しずつ用意して、1本の酒と順番に合わせてみると、濃淡の合う・合わないが分かりやすいと思います。

よくある質問

チーズに合う日本酒は甘口ですか、辛口ですか? 研究が基本としているのは、甘辛より「濃淡」です。濃いチーズには濃醇な酒、淡白なチーズにはすっきりした酒、と考えると選びやすくなります。

大吟醸や純米吟醸はチーズに合いませんか? 研究では、吟醸酒は単独で楽しむか、冷たい料理や酢の物と合わせるのに向くとされています。チーズと合わせるなら、この記事の組み合わせから試すのがおすすめです。

商品ページ

ほかの料理との合わせ方は日本酒に合う料理の見つけ方にまとめています。

出典:こばたてるみ・今田周三・浜田由紀雄「料理と日本酒の相性に関する一考察」日本醸造協会誌 114巻4号 166-173(2019)

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