梅酒のおすすめは日本酒ベース|ふつうの梅酒との違い
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梅酒を一本選ぼうとすると、棚にずらりと並んでいて、結局いつもの定番に手が伸びる——そんな経験はないでしょうか。
私たちは神奈川・秦野で明治元年から日本酒を醸している蔵です。その蔵が、地元の梅を自社の日本酒に漬け込んだ梅酒を造っています。日本酒を仕込んできた立場から、「梅酒って、ベースのお酒で味がここまで変わるんだ」と感じてもらえる選び方を、できるだけ正直にお伝えします。
※ 写真はイメージです
目次
梅酒とは — 青梅・糖分・ベースのお酒でできたリキュール
梅酒とは、青梅を糖分とともにお酒に漬け込んでつくるリキュールのことです。 酒税法上の分類は「リキュール」で、アルコール度数はおおむね8〜15%前後。日本では家庭でも古くから漬けられてきた、なじみの深いお酒です。
材料は、青梅・糖分・そして「ベースになるお酒」の三つ。このうち、味の方向性をいちばん大きく決めるのが、最後のベースのお酒です。
世の中で定番になっている梅酒の多くは、ホワイトリカー(甲類焼酎)をベースにしています。ホワイトリカーはクセのない、いわば無色透明な土台。だからこそ梅の香りがまっすぐ立ち、すっきりとキレのある仕上がりになります。これはこれで、完成された一つの形です。
一方で、ブランデーベース、黒糖ベース、そして私たちのような日本酒ベースの梅酒もあります。ベースが変われば、同じ「梅酒」でも飲み口はまるで別物になります。「梅酒のおすすめは?」と聞かれたとき、私たちがまず「どんなベースが好みですか」と返したくなるのは、そのためです。
日本酒ベースの梅酒とは、どういうものか
※ 写真はイメージです
日本酒ベースの梅酒は、文字どおり日本酒に梅を漬け込んだ梅酒です。ホワイトリカーが「無色の土台」だとすれば、日本酒は「すでに旨味を持った土台」です。米由来のふくよかな旨味が、梅の甘酸っぱさに重なります。
そのぶん、口当たりはやわらかく、後味に奥行きが出ます。アルコールの当たりが強くないので、ふだん日本酒や焼酎を飲まない方にも届きやすい。「梅酒は甘いだけであまり得意じゃない」という方が、日本酒ベースだと意外とすっと飲めた、という声もよくいただきます。
注意したいのは、日本酒ベースだからといって「大吟醸を漬けている」わけではない、という点です。梅酒造りにはそれに適した日本酒があり、香りで主張するより、梅の個性を受け止める土台としての日本酒が向いています。私たちの梅酒も、香りで攻めるタイプではなく、梅の果実味をやわらかく支える方向で仕込んでいます。
ベース別・梅酒の味わい早見表
ベースのお酒でどう変わるのか、まとめておきます。大手ブランドの多くはホワイトリカー(甲類焼酎)や醸造アルコールをベースにしており、日本酒ベースの梅酒は数が多くありません。選択肢として知られていないだけで、飲み比べるとはっきり違います。
| ベース | 味わいの方向 | 向く人 |
|---|---|---|
|
ホワイトリカー (甲類焼酎) |
無色の土台に梅の香りがまっすぐ立つ。すっきりキレのある王道 | 定番の味を求める人 |
| ブランデー | 樽由来の甘い香りとコク。濃厚で食後向き | 重厚な一杯が好きな人 |
| 黒糖 | コクの深い甘み。個性がはっきり出る | 甘みを楽しみたい人 |
| 日本酒 | 米の旨味が土台にある。口当たりがやわらかく、後味に奥行き。アルコールの当たりが穏やか | 甘いだけの梅酒が苦手な人/食事と合わせたい人 |
全国梅酒品評会に「日本酒梅酒部門」という区分が設けられていることからも、日本酒ベースがひとつのジャンルとして扱われているのが分かります。
選ぶときに見たい三つのポイント
梅酒を選ぶとき、ラベルのどこを見ればいいのか。日本酒を造ってきた立場から、現実的に役立つ三点をお伝えします。
ひとつめは、ベースのお酒。ここまで書いてきたとおり、味の方向を最初に決めるのがベースです。すっきり王道ならホワイトリカー、まろやかさや旨味を求めるなら日本酒やブランデー、と当たりをつけられます。
ふたつめは、甘さの設計。梅酒の甘さは砂糖や氷砂糖、果糖などでつくられます。甘さ控えめが好みか、しっかり甘いデザート的な一杯が好みかで、選ぶ一本は変わります。私たちの梅酒は糖類に果糖を使い、年数を重ねた梅酒をブレンドすることで、甘ったるさを抑えた「上品な甘さと果実の酸味」を狙っています。
みっつめは、つくり手と背景。誰が、どこの梅を、どう仕込んでいるのか。これは味の好みとは別に、贈り物にするときや、長く付き合う一本を選ぶときに効いてきます。
蔵が手摘み・手仕込みでつくる「ウメザケ」
私たちが造っている梅酒が、白笹鼓 ウメザケです。
秦野で育った梅の実を、蔵の従業員がひとつひとつ手摘みし、選別・洗浄したうえで、自社の日本酒に手仕込みで漬け込んでいます。糖類には果糖を用い、上品な甘さと果実由来の酸味が溶け合った味わいに仕上げています。
仕込みは、日本酒に対して梅の実40%
ウメザケの仕込みで特徴的なのが、梅の量です。漬け込むときの日本酒に対して、梅の実を重量比で40%使っています。梅をたっぷり使うほど果実の香りと酸が濃くなりますが、そのぶん原料も手間もかかります。手摘み・手仕込みで数に限りがあるのは、この仕込み方だからです。
ちなみに市販の梅酒には「1本あたり梅の実◯個分」という表示をしているものもありますが、あれは製品1本に対する量です。こちらは仕込み時の日本酒に対する比率なので、単純に並べて比べられる数字ではありません。ただ、梅をふんだんに使う方向で仕込んでいる、という点は同じです。
熟成した梅酒を「継ぎ足して」いく
もうひとつ、この梅酒の味を決めているのが継ぎ足しです。新しく仕込んだ梅酒に、それまで蔵で熟成させてきた梅酒を継ぎ足していきます。だから年度を重ねるごとに、味に深みが積み上がっていく。
毎年きっちり同じ味を再現する造り方とは、考え方が逆です。継ぎ足す以上、去年の一本と今年の一本はまったく同じにはなりません。そのかわり、蔵で過ごしてきた時間のぶんだけ、角がとれて奥行きが出ます。梅の甘酸っぱさの向こうに、少し落ち着いた余韻がある——その部分は、継ぎ足してきた梅酒が持ってきたものです。
大量に均質なものを造る方法では、この積み上げは生まれません。小さな蔵で、毎年少しずつ仕込んでいるからできる造り方だと思っています。
ありがたいことに、全国梅酒品評会2022の日本酒梅酒部門で銀賞をいただきました。日本酒ベースの梅酒という土俵で評価いただけたことは、蔵にとって素直に嬉しい結果でした。
手摘み・手仕込みで仕込む季節限定の梅酒のため、数には限りがあります。在庫が少なくなっていますが、2026年の新しいロットの出荷を予定しています。気になる方は、オンラインショップで最新の在庫状況をご覧ください。
白笹鼓 ウメザケ
秦野産の梅 × 自社の日本酒仕込み。仕込みは日本酒に対して梅の実40%(重量比)、さらに熟成した梅酒を継ぎ足して深みを重ねています。全国梅酒品評会 日本酒梅酒部門 銀賞。手摘み・手仕込みのため数量限定。
720ml ¥2,750(税込)/はだのブランド認証品
飲み方・合わせ方をもっと知りたい方へ
ベースで選んだら、次は飲み方です。ロック、ソーダ割り、お湯割り、牛乳割りまで、ウメザケが映える割り方と、季節ごとに合う料理は別の記事にまとめています。
自分で漬けてみたい方に向けては、日本酒で仕込む梅酒の作り方と、知っておきたい酒税法の注意点もご案内しています(度数20度未満のお酒で果実酒を漬けることは認められていません。未成年・妊娠中の方の飲酒、運転前の飲酒もご遠慮ください)。
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